松本人志「俺の子供を産めや」がもし事実だとしても、発言自体は全然「不適切」ではない理由【宝泉薫】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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松本人志「俺の子供を産めや」がもし事実だとしても、発言自体は全然「不適切」ではない理由【宝泉薫】

 

 とはいえ、松本人志の発言(虚偽の可能性もあるが)や杉田水脈の発言が叩かれるのはおかしい。人間も生き物である以上、種の存続こそが第一義であり、そのためにはやはり恋愛や出産なのだ。その前提があったうえで、LGBTや痩せ姫が持つ少数派ならではの魅力や矜持が評価される、というのが理想のバランスだろう。

 あと、松本問題についてはジャニーズ問題同様、一部のメディアと一部の世間が虚偽かもしれない情報によって私刑(あるいは天誅)をするという、最近流行りのエンタメ潰しのひとつと見ることもできる。不倫バッシング全般についても、またしかりだ。

 こうした現象も、前出の行き過ぎた本能抑制状況と地続きなのではないか。それこそ、ジャニーズにしても、長年、女性の疑似恋愛の対象として機能してきた。母娘二代、あるいは祖母から孫の三代でジャニーズアイドルのファンというケースもあり、日本の女の子の通過儀礼ともなってきた存在だ。それがエンタメ潰しという新たな快楽の犠牲にされてしまったのである。

 そんな非生産的な快楽にうつつを抜かす人が増えるより、恋愛や性交、出産といった本能に近い快楽が尊重される世の中であってほしい。相田みつををもじるなら、いきものだもの、の精神で。

 

文:宝泉薫(作家、芸能評論家)

 

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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